矯正歯科治療とは、一般的には悪い歯並びをきれいに治す治療の事を言います。
しかし、歯科矯正の持つ本来の目的はそれだけではありません。
矯正歯科治療を行う事で得られるメリットは、下記のようなことが上げられます。
・人目を気にして自分の感情を出せなくなる事がなくなり、精神的に解放される
・きちんとした発音で声を発する事が出来る
・顎と咬み合わせのバランスを調整する事で、姿勢や体の機能を改善する
・歯の清掃性を良くし、歯の寿命を延ばす予防的な効果がある
・小児矯正には、顎、顔の適切な成長発育を促す効果もある
・食べ物をしっかりと噛み砕く事で消化を良くし、胃腸の働きを助ける
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矯正歯科治療を必要とする歯の症状は様々で、八重歯、受け口、出っ歯、下顎前突、歯の数の不一致、等でお悩みの方は一度ご相談頂けたらと思います。
矯正歯科治療には、患者さんの歯、顎の状態によって、治療期間、費用に個人差があります。
患者さんの口の状態をしっかりと把握し、お互いの信頼関係を築きながら具体的な治療方針や計画をご説明させて頂きます。
※教科書:「歯学生のための歯科矯正学」(院長共著)より引用、改変。
■咀嚼(そしゃく):口の中で食べ物をよく咬み砕き、味わう事
歯の最も大事な役割は、咀嚼する事です。食べ物を飲み込んだ後に、胃や腸がスムースに消化を行うためにとても重要です。
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■嚥下(えんげ):口の中の物を飲み下す事
ほとんどの人は、飲み込む時に、上下の歯を軽く咬み合わせ、下顎の位置を安定させます(正常な嚥下)。もちろん、咬み合わせなくても飲み込む事は可能ですが、口の周りの筋肉に無理な負担がかかります。
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■味わい
のびたラーメンをおいしいと感じる人は少ないと思います。食べ物のおいしさは,舌だけが感じるのではありません。「歯応え」や「歯ざわり」等の歯で感じる感覚も重要です。 |
■異物の分別
食事中に石や砂を咬むと反射的に咬むのをやめます。人は,歯で咬んだ時の感覚で食べられる物とそうでない物を判断する事が出来ます。
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■発音
歯並びは、発音にも関係しています。受け口、出っ歯、開咬の人の会話が聞き取りにくいのはこのためです。
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■食いしばり
スポーツ選手が試合中に歯を食いしばっている事は、よく知られています。肉体的、精神的に大きな負荷がかかった時、人は歯を食い縛る事でそれに耐えようとします。少し前になりますが、ソウルで開かれたオリンピックの時に、短距離界のスーパースターであるカール・ルイスが矯正歯科治療をしていたのを知っている方も多いかと思います。よりパワーを出すためだったのかも知れません。
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■武器
肉食動物をはじめ多くの動物が、歯を武器にしています。人もそうです。映画等で、子供が連れ去られそうになった時、手を咬んで逃げ出すというのはよくあるストーリーです。
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■道具
糸を切ったり、ひもをほどいたり、歯は道具としても十分使えます。
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■審美観(しんびかん)
鏡の前で、歯が見える様に、思いっきり笑顔になって下さい。清潔で美しい歯並びは、歯の見える素敵な笑顔を作り出します。人と対面して話をする場合、相手の目以外に口元もよく見ている事と思います。
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■脳刺激
よく咬む子は、脳の発育に良い刺激が加わると言われています。チューインガムを噛んで居眠り運転防止とか、咬む事によって脳の老化(ボケ)を防ぐ効果は認められています。
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■愛情表現
愛情の表現として、軽く咬んでみたいという感覚があります。飼い犬や猫などの動物も、飼い主に対して軽く咬むという行動をします。
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この様に、口や歯ほど人に多くの満足感を与える器官は他にはありません。
口や歯の異常は、この幸福感を人から奪い取るものです。
歯並びや咬み合わせの異常も例外ではありません。
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